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こんにちは!
セッションインストラクター
の斉藤 彰広です。
「オッカムの剃刀(かみそり)」
と呼ばれる、考え方があります。
14世紀の哲学者オッカムさんが
多用した思考法です。
別名「ケチの原理」とも
呼ばれています。(笑)
なぜそう呼ばれるのかと言うと、
「ある事柄を説明するためには、
必要以上に多くを仮定
するべきでない」
という指針だから。
難しいことを難しく語るのは簡単。
難しいことをできるだけ簡単に、
誰でも分かりやすく説明できる方が
素晴らしい!なんてよく言われます。
これもいわゆる
オッカム剃刀的発想だと思います。
一つの事実は
色々な面からみる事ができるし、
説明できる。
でも、それを全部出す必要はない!
無駄な仮定や条件を無くして、
できるだけシンプルに
説明できたものの方が優れている!
そういう指針が
いわゆるオッカムの剃刀的発想です。
もちろん、これには賛否両論あって、
オッカムの剃刀的発想だけでは
解けない問題や、
もっとこんがらがって
しまう事もあります。
が!僕自身は
基本的にオッカムの剃刀的発想は
素晴らしいと思っています。
だって、難しいことを
難しく説明する人って
つまんなくないですか!?(笑)
ましてや簡単なことを
難しそうに説明されたら、
イラっときませんか!?
といって、
僕自身がしっかりできているか
と言うと疑問ですが。(苦笑)
例えば、アドリブの練習に
絞って考えてみましょう。
世の中には人の数だけ
アドリブの方法論があります。
同じ日本語をしゃべっても、
人によって口癖や抑揚が違って
個性が出るのと全く同じ。
同じ1オクターブ12音を
使っていても、アドリブすると、
1人1人サウンドが変わります!
そして、今では教則本やビデオ、
もしくは音楽の学校や教室で
様々なアドリブの方法論を
学ぶことができます。
これ自体は素晴らしい事!
でも逆に考えると、
これだけ便利な環境が
揃っているのに、
アドリブが得意な人って
昔と変わらず、
ほんの一握りしかいない!
単純に不思議だと思いませんか?
この状況こそ、実は
オッカムの剃刀的発想を
必要としているのでは!?
と個人的には感じています。
どういう事かと言うと、
【情報量が多すぎて
逆に本質が見えない!】
教則本コレクター
なんて僕は呼んでいますが、
どんどん違う方法論が書いてある
教則本を買ってくるのですが、
すぐに挫折。(笑)
途中まで読んでは、
実践せずに本棚の肥やし。
気付くと次の教則本に
手が伸びている…。
こんな状況になっている人が
極端に増えているのでは!?
と感じています。
(アドリブを題材にしていますが、
きっと他のあらゆる分野で
起こってるような気がします。)
それもこれも
本質を説明する
最小限の仮定のみに絞り込む!
という、
オッカムの剃刀的発想が
根付いていないからではないか!?
なんて思ったりします。
例えば僕なら
【アドリブの基礎は
ビバップにあり!】
なんて書いてある
本があったら絶対に買います。
逆にその他のものには
手を出しません。
ビバップというのは
ジャズの中の一つの
アドリブスタイルです。
が!
かなり本質をついていて、
この中にアドリブの
テクニック、リズム、ハーモニー、
そして頭の使い方の基礎が
ぎっしり詰まっています。
そして、実はジャズだけじゃなく、
全てのジャンル、
シチュエーションで活かせます!
「この本質はこれだ!」
と看破しているものは、
とてもシンプルで分かりやすく、
そして実践しやすい傾向があります。
逆に、視点がブレていたり、
個人的主観を単に押し付けるような、
練りの浅いものは、
本人が本質を理解していないので、
説明が冗長になりがちだし、
理解しづらい。
そしてそれを見破る力を
身につけるには、
普段からオッカムの剃刀的思考を
癖づける事。
この思考訓練をし続けると、
アドリブはもちろん、
世の中の色々な本質が
見えるようになる!かもしれない。
今日も一日ガツンと
グルーヴさせていきます!
