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こんにちは!
セッションインストラクター
の斉藤 彰広です。
今回のテーマは
「耳の良さの再定義!」
というとなんだか堅苦しいですが、
よく巷で言われている「耳の良さ」と
僕がセッションやライブの
現場で感じている
「本物の耳の良さ」が、
まったく違うことが多いので、
今回はその辺りをまとめてみます。
結論から言ってしまうと、
【達人は常に小節の先の
未来を聴いている!】
例えば、よくある
「耳の良さ」の定義として、
「絶対音感を持っている」
と言うのがあります。
または、「相対音感を持っている」
というのも最近は良く聞きますね。
もちろん、これらの能力も
素晴らしいものです。
が、はっきり言って、
現場でリアルタイムの音楽を
やっている方からすると
「それで?」という程度の能力です。
無いよりはあった方がいいですが、
正直、耳コピーするときに役立つくらいで、
現場ではそれほど役に立ちません。
(少なくともアドリブセッションの現場では。)
でも、「絶対音感がない」
という事実だけで、
自分の耳、ひいては音楽自体に
強いコンプレックスを
持ってしまう人がかなり多いので、
日本全体を巻き込んだ誤解
と言っても過言ではないでしょう!
実は机を叩いた音の音程を
当てられる能力よりも、
もっと重要な耳の良さがあります。
それを一言でいうと、
【音楽的予測力】です。
例えば、
70年代に青春を過ごしてきた人は、
ロックリフといえば、
ツェッペリンがディープパープルでしょ!?
みたいな暗黙の了解があって、
そうきたら、こういくぜ!
の様な予測が働くようです。
なので、当時の若者たちは、
意外と今よりセッションが身近にあったようです。
逆に、今の若者達が(僕も含めて 笑)
比較的セッションから遠いのは
ジャンルが多岐にわたりすぎて、
そういう最大公約数の様なサウンドが
無くなってしまったことも
原因かもしれません。
(実際、~ロックという感じで
凄いジャンル数がある!)
でもだからこそ。
【音楽的予測力】
が大事になってきます!
実際、僕が見てきた音楽の達人たちは、
この能力が半端じゃなく高いです。
ジャズ、ブルース、ロック、
ファンク、ラテン
どんなジャンルのサウンドでも、
しっかり基本のグルーヴと
語法を押さえています。
その上で、周りをしっかり聞き届け、
微妙な変化にも、見事に反応していきます。
どう考えても、
その場でただ反応しているだけでは、
絶対間に合わないスピード感で
フレーズを変化させていくのです。
しかも、そのフレーズがかなり「粋」で、
その後の展開にピタッとはまる!
どういう事なんだ!?宇宙人なのか!!?
なんて、よく考えたものですが、(笑)
今はようやく答えが出ています。
その答えとは、もうお気づきのように、
【今の音から先の展開を
予測して聴いている!】
ということなのです。
色々な音楽を聴きまくり、
色々な人と音で会話し尽くしてきた結果、
自然と、こう来たらこう返すとカッコいい!
という、予測が働くようになっているのです。
そして、何を隠そうこの能力こそが、
現場で最大の効果を発揮する
耳の良さなのです!
逆に、「なんとか音感」とかの
呪縛に縛られていると
絶対に身につかない方向性の耳の良さです。
常に今現在進行形のサウンドに
注意深く耳を傾け。
そして、そこからさらに
自分なりの未来を想像し、
自分の楽器で創造していく!
こんなタイプの耳の良さが、
本物の耳の良さだと、
僕は感じています。
そして、これは才能ではなく、
経験で必ず身に付きます。
耳にコンプレックスを持っている人こそ、
いち早くそれをぶっ飛ばし、
そして自分オリジナルの未来を創っていく。
その時
「ジャムセッションが日本の文化になる!」
とも感じています。
是非多くの方に共感頂けたら幸い。
本日もガツンとグルーヴさせていきます!
