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こんにちは!
セッションインストラクター
の斉藤 彰広です。
音楽を理論的に語るときに
欠かせないのが「スケール」。
いわゆるドレミファソラシドなどの
音の並びの法則のこと。
これがいわゆる
西洋のクラシックに基礎を持つ
今の音楽理論だけでも沢山あるし、
もっと言えば、
世界中の民族ごとにあったりします。
でも、そもそもなんで
こんなに沢山スケールが
生まれてしまうの!?
なんて、音楽自体には
まったく関係ないのに(笑)、
根本的な疑問を考えてしまう人も
きっと多いのではないでしょうか?
もちろん今回も答えは出ませんが、
その周辺について
書いてみようと思います。
結論から言ってしまうと
【人間の感情は数字で表現
できないからスケールが
沢山生まれる!】
ちょっと調べると
西洋音楽のスケール(音階)だけでも
沢山の名前が見つかります。
今、僕達がよく見る音階は
「平均律」と言って、
あくまでオクターブを
均等に12個に割った
世界観の中で生まれています。
でも無理やり正確に
音程を切っているので、
色々な楽器や調に応用できる半面、
実はかなり綺麗な響きを
削っています。
逆にもっと土着の民族音楽などは
「純正律」といって、
かなり綺麗に響くけど、
他の民族の楽器だったり調には
応用しずらい、
本当にその通りに演奏しないと
その感じがでない
スケールを採用しています。
言って見れば
超アナログなスケールです。
わかりやすい例としては
「インドのシタール」と
「一般的なギター」。
これはそもそもの
スケールの考え方が違うので、
チューニングを合わせても
フレットを上がって行けばいくほど
音程がずれていきます。
超ザックリ言うと、
アナログな「純正律」と
デジタルな「平均律」の違い。
でもこうやって様々な世界中の
スケールを見ていくと、
それぞれ全然違うのに
ある一点でかなり共通の事も
見えてきます。
それは
【暗いスケールか
明るいスケールか?】
という事。
いわゆるメジャー系、
マイナー系はかなりはっきり
分かれているのです!
でもこれにも例外があります。
分かりやすいのは
アフロアメリカンの
ブルーススケールと
スペインのスパニッシュスケール。
これらのスケールは
明るい音と暗い音が混在しています!
そしてアドリブが
かなり強い文化として残っています。
アフロアメリカンと
スペインの歴史を紐解くと、
両方とも圧政と搾取の時代が
色濃く見えてきます。
生活がつらいんだけど、
明るくしないとやってられないよ!
という大衆の心の声が
スケール(音階)にも反映
しているように思えてなりません!
再びそういう視点で
世界中の音楽を見てみると、
凄く暗いスケールを使っているのに
歌詞はアホなこととか、
惚れたはれたの事を言っていたり。
凄く明るいスケールを
使っているのに、
歌詞は反体制だったり、
つらい日常のことを
吐露していたりするのです!
単純に「悲しい」といっても
色々な「哀しい」があります。
「楽しい」と言っても
人の数だけ「愉しい」があります。
このように、人の心は
かなり強力な多様性を持っています!
これを音で表現しようとすると、
ザックリ明るい、
暗いの傾向はあるけれど、
多様なスケールが
生まれてしまうのです!
実は民族の歴史と
人間の心の揺れ模様を
大きくまとめて表現しているのが
「スケール(音階)」
なのではないか!?
なんてロマンを、
ミュージシャンの僕は
勝手に感じてしまう。
そんなお話なのでした。
今日も一日ガツンと
グルーヴしていきましょう!
