
お気に入りに追加
こんにちは!
セッションインストラクター
の斉藤 彰広です。
今回は結論から行きます。
【歴史は繰り返す。
そして基本に戻る!】
このところ1600年前後の
クラシック音楽の歴史を
ひも解いていました。
そうしたら、
やっぱり上記の結論に
行きついてしまいました。
「対位法」と呼ばれる
作曲法が全盛の時代から、
歌が主役の「オペラ」への
変遷の時代。
1600年代以前は、
西洋の音楽も
その他の国の音楽と同じく、
いわゆる単一のメロディが主体の
民族音楽。
そこから宗教音楽を中心に
段々複数の声部を重ねて
アンサンブルをする方式に
発展していきます。
それに合わせて
楽器のチューニング法や、
機能性がドンドン改変、
向上していきます。
そして、その発展が
一つのピークを迎えるのが
いわゆる「バッハ」の作品群。
厳格で、荘厳な宗教音楽の
粋を集めた最高傑作といって
良いと思います。
2~4声以上の多数の声部が
独立して動きつつ、
その全体の調和を乱さない
絶妙なバランスのスコア(楽譜)。
スコア自体もなぜか絵的に綺麗!
完成された芸術!!
と、1人の天才によって
絶頂を迎えるのですが、
ピークを越えると
違う世界が見えてくるのも
世の中の常。
バッハ以降の作曲家や評論家は
ザックリ言うとこういう
結論に達します。
「対位法は複雑すぎて
普通の人には聞き取ること
すら難しい!」
確かに複数の声部が独立して動く、
完成された「対位法」は
一発では聞き取れません!
バンドやオーケストラを
やっている人は
実験してみて下さい。
自分のバンドの全てのパートを
一気に聞き取るのは至難の業です。
というか、そういう意識で
訓練をしていない人は
絶対に聞き取れません!
2パートでも無理です。
そして、その結果
【メインパートは
歌詞をつけて目立たせ、
楽器がバックの和音を
担当する。】
といういわゆる「オペラ」の
形式に移行していきます。
というか、
現在のポップスに至るまで
この「和声作曲方式」が
引き継がれています!
「オペラ」に至るまでも、
様々な音楽的研究や論争、
または宗教側からの回答など
色々あるのですが、
ザックリ切ってしまうと
「単一メロディの歌」
~「複数声部の対位法」
~「メインの歌と器楽伴奏」
という流れが見えてきます。
超乱暴にまとめて
しまうのならば
「歌から歌へ一周して
戻って来ちゃった!」
こんな解釈も可能です。
この時僕はふと
思ってしまう事があります。
音楽理論の粋を極めた
スーパー職人作曲家は多くの場合、
無名のままその生涯を閉じます。
でも、お世辞にも
上手いとは言えないギターを
無造作にかき鳴らし、
これまたけして上手いとは
言えない歌に強力な歌詞をのせて、
ボブディランが叫ぶと
世界中が震撼してしまう!
良い悪いのレベルでは無く、
人間ってそういう風に
できてるんだな!
と改めて感じます。
「シンプルイズベスト」
とはよく言ったもの。
色々研究して、掘り下げて、
核心に近づけば近づくほど、
どんどん物事がシンプルに
なっていく。
音楽に限らず、
歴史はこう言う風に変遷しつつ、
らせん状に向上しているような
気がしてならない、
最近の発見でした!
やっぱり基本は歌だよね。
今日も一日ガツンと
グルーヴさせていきましょう!
