【リードシートは多角的な視点で捉えると覚えるのが楽になる】
音楽理論とのうまくつきあって行く方法について。
数回に分けてお話しして来ております。
前回
単一楽器だけを演奏している人の音楽理論把握の傾向をお伝えしましたが、
僕はマルチプレイヤー思考のため、
実際のところ実際に見聞きした他人の傾向をお話しすることしか出来ません。
そして、更に言うと
僕の演奏能力が高いわけではない上にマルチプレイヤー思考のため
とっても平々凡々としたものであり、
それぞれの楽器を長いこと演奏していていらっしゃる
皆さんの方が実際のところ演奏はうまいかと思います。
また、
マルチプレイヤー思考といっても
ベースが圧倒的に長く、続いてドラム、その次がギターで
ピアノは少々、管楽器に至っては未経験です。
なので、考え方にもかなり「リズム隊」傾向が強いです。
ですが、
多少なりとも役立つ機会が多かったので、
僕の考え方をシェアしたいと思います。
【リードシートを読み解くマルチプレイヤー思考法】
1、構成把握はドラマー的な大きな枠の視点で理解する。
まず最初の大枠を掴むところは、ハーモニーとかに縛られない、
ドラマー的な視点で行います。
各セクションの小節数とか、全体の構成の流れ、
キメの部分や、その曲の核となっているリズムなどをまず把握するには
ドラマーの視点が役立ちます。
2、ハーモニーの感覚的な把握はコード楽器の視点で補完。
次に曲全体を感覚的に理解するわけですが、
実際の音を出さなくても、コード楽器で和音をならす経験をしているので、
コード表記の流れをみるとだいたいのハーモニーの流れが掴めます。
ここで、リズムだけでは掴めなかった「ハーモニーやメロディ」と絡んだ
着地点が見えてきます。
3、演奏するための具体的なコード&リズムの理解はベーシストの視点で
2のハーモニー的な理解はザックリとした着地点などの理解でしたが、
ベースライン、つまり、コードのルートを追うことで、
更に細かく小節単位の流れが見えてきます。
そして、ベースには「リズム隊」としての役割もありますので、
ドラム的な小節やセクションなどのハコの理解と
コード楽器のハーモニー的な感覚理解を結びつける
接着剤のような役割を果たします。
ここまで行えれば、
リズム隊として参加するのであれば、十分対応することが出来ます。
4、メインのスケールと特殊なコードの特徴音は演奏する楽器で理解。
自分がアドリブソロを演奏する場合。
キーはコード進行を見た時点で分かるのですが、
改めて演奏する楽器でどのスケールがハマるかを再確認します。
そして、コード進行によっては主要なスケールの音ではハマらない部分がありますので、
主要スケールとそのコードの相違音をピックアップしておきます。
(転調がある場合は、転調後のスケールも理解しておきます。)
そうすることで、比較的自由に演奏しつつも、
特徴的な部分にはコードに沿った演奏をし、
それが出来ることはつまり、ロスト対策にもなります。
僕はソリスト歴はそんなに長くないので、
これくらいですね。
そして、更に。
5、移調はギターやベースの指板をイメージして行う
僕はセッションをホストする役割を行うことが多いので、
コード進行を演奏者に伝えることが多いのですが、
その時に
移調楽器である、管楽器にコード進行を教えるというようなことがあります。
演奏中にやれと言われると難しいのですが、
僕は瞬時にB♭管であれE♭管であれ移調後のキーやコードを答えることが出来ます。
管楽器未経験の僕がなぜそれを出来るかというと、
ギターやベースの音の配置が非常に移調を考えやすく出来ているからです。
移調をする時に頭にギターやベースの指板をイメージしています。
B♭管であれば、
実音の音から2フレット高い音が移調後の音で
E♭管であれば、
実音の音から隣の低い弦に移動し、2フレット高い音が移調後の音
となります。
(文章だとちょっと分かりづらいですが…)
それぞれの移調の対応を丸暗記していなくても、
聞かれたら、即座に頭の中の指板に照らし合わせて、
答えることが出来るのです。
ざっと5つほどポイントをさらってみましたが、
実際に僕はこのステップで曲を理解し、
(もしくはフリーセッション用の簡単な曲を組み立てて)
演奏する皆さんにお伝えしているように思います。
リアルタイムなアンサンブルは
複数のプレイヤーがいないと出来ないことですので、
必ずしもマルチプレイヤー思考でなきゃいけないなんてことはありません。
他のプレイヤーの思考の得意不得意を理解して、
お互いがアンサンブルをする上で
楽器の特性上苦手な箇所を補完し合いながら
楽器ごとの良さを活かし合えるような
そんなコミュニケーションをとれるような
ヒントに慣れれば幸いです。
では今回はここまで!
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!