(写真:Matthew Harris/アフロスポーツ )
今回は
【身近なことからセッション的聴覚を意識する】
というお話。
「セッション的聴覚」っていう言葉がこのメルマガやブログなど
FTJS!の人から良く出てきます。
どうせきっと社長が作り出した造語なんです(笑)
ウチには造語ばかり…(笑)
そんな、「セッション的聴覚」について
身近に意識できるところから
意識を始めて行きましょう。
はじまりはじまり~
目次
●セッション的聴覚とは?
●セッション的聴覚を遮る意識
●セッション的聴覚を身につけるには役割を知ること
●「まとめ」日常で思うこと
【セッション的聴覚とは?】
まずこの造語(?)の意味を
初めての人にも分かりやすいように説明すると
「一度にいろんな音を聞き分ける・聞き取る能力」のこと
なんかすごく難しそうに思えますが、
実は、アンサンブルをやっている皆さんは
それを常に行っています。
自分の演奏する音を聴きながら
他の人の演奏を聴いて合わせているのです。
というか、耳に入ってきていると
合わせざるを得ないのです。
例えばバンドメンバーが
個々に音だししている時なんかで良くある光景ですが、
テンポ120で演奏しているのに
隣でテンポ110で演奏しているとしたら
双方とも相手のテンポにつられます。
こういうのもセッション的聴覚により
無意識でもなんでも、耳には入ってきているのです。
しかし、
行っているけど行っていません。
無意識に出来ていることと
意識して出来ること
これもまた全然違います。
意識的に出来ることの方が強く作用します。
【セッション的聴覚を遮る意識】
先ほどのバンドメンバーの個々の音出しについてですが、
つられないようにも出来ます。
さっきは「つられる」なんて話をしましたが
実際は「つられないようにしている」光景を見ることの方が
多いのではないでしょうか?
そう、実は多くのプレイヤーは
セッション的聴覚どころか
真逆の方向に意識を向けていることがあります。
意識的にシャットアウトしてしまうのです。
いわゆる「自分の中にはいってしまう」
という状況ですね。
自分の音だけを聞きたい時に良くおこる現象です。
人間は認知(情報)という次元で、『ないもの』に出来るのです。
目には映っているのに、見ていないことにできます。
耳には聞こえているのに、聞こえてないことにできます。
そうしないと
あまりに多くの情報がありすぎてしまうからです。
誰かと待ち合わせしている時に
行き交う他人は「人間」や「動く物体」程度にしか
認識しておらず、
待ち合わせ相手のみ「○○さん」と
固有の人物として認識していることがほとんどです。
雑踏の中で知っている人を思わず発見するのもこの能力ですね。
こういう意識のピントを合わせることを
人間の脳は常日頃から行っています。
【セッション的聴覚を身につけるには役割を知ること】
「ウォーリーを探せ」なんて本が小学校の図書館にあり
僕は良く探していましたが、
※
赤と白のボーダシャツがトレードマークの「ウォーリー」
ほとんど変装などしないのになぜかなかなか見つけられないんです
こういうのも
ボヤッと全体を見ていても見つけられないし、
かといって一つ一つのオブジェクトを認識して
これは違う、あれも違うなんて探していたら、
いつかは見つかるかもしれませんが非常に時間がかかってしまいま
なので、意識のピントを合わせることで的を絞っているのです。
何百人と描かれているオブジェクトから「人物」だけに絞り、
さらに「赤っぽい服の人」
※しかし、
そして、最終的には「ウォーリー」という人物を知っているから
見つけ出すことが出来ます。
しかし、ウォーリーを知らなければどんなに探しても
見つけることは出来ません。
聴覚的な話に戻っても同じことです。
セッション的聴覚とは
「一度にいろんな音を聞き分ける・聞き取る能力」
これは、
全体をボヤッと聴くことと
特定の音を集中して聴くこと
その間をピントを調節するように自在に行き来できること
だと僕は思うのです。
そのためには
「他の楽器のことを知る」ということが
非常に重要になって来ます。
ドラムの音、さらには
「ハイハット」や「スネア」などが
絡み合って作られる「役割」
それを知らないと認識できないので
「聞こえているのに聞こえてない状態」
になります。
どんな構造でどんな音色で
どんな役割を担っているのか
まずは知識レベルで良いので
自分の演奏しない楽器のことを知っておくと良いでしょう。
【「あとがき」日常で思うこと】
例えば、
「4小節1まとまりの感覚」
僕は
ギターなんかでソロをとりながら
そんなに周りの音ばかりに気が向けられないときでも
4小節をリズムで知らせてくれるのがドラマーであること
そういったアクセントは
「クラッシュシンバル+バスドラム」で表現されることが多いこと
「クラッシュシンバル+バスドラム」
というような情報を下に
そのときだけは認識することが出来るのです。
なので、
アンサンブルで相互補完関係にあれば、
ほとんどロストすることはありません。
知っていることはその後の行動を選択する上でも
大事なことです。
日常で考えれば。
友達や恋人との電話に熱中している時
付けっぱなしのテレビは耳には入ってきていません。
消せば良いのに消すこともしない。
でも、ドアホンの音は耳に入るや否や
「ちょっと待ってて」て電話相手に告げ行動を起こします。
それは
ドアホンが
「誰かが訪ねてきて外で待っていることを知らせる役割」
を持っていることを知っているからなのですね。
実は全部自分で選んで認識し、行動していることなんですよね。
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!