みなさんは
同じ譜面を見て演奏して
ただ、なぞるだけの演奏と
その人の味が出る演奏の違い
それの決定的な違いはなんだと思いますか?
僕は「頭の中でサウンドがしっかりイメージできているかどうか」
だと思っています。
FTJS!ではこれをジャムの基本三原則のひとつ
「フレーズを歌う」というワードでお伝えしています。
歌えるということと
頭の中でイメージできていることは密接な関係があります。
ただ歌えばいいわけではありません。
そのリズムやフレーズを歌ってみることで
自分がどれだけそのフレーズを明確にイメージできているかが分かるので
「フレーズを歌う」ということを意識してもらっているのです。
イメージするだけ、だと少し弱いです。
できた気になっていることが多いのです。
アウトプットして初めてフィードバックがあります。
フレーズを歌ってみて
単調で面白みのない歌であれば、単調で面白みのない演奏になります。
変な話、フレーズをそうやって演奏しようとイメージしているのです。
抑揚のある味のある歌であれば、抑揚があり味のある演奏になります。
そのフレーズをそうやって自分なりにイメージしているのです。
僕は演技に関してはド素人なので詳しいことは分かりませんが、
演劇などをイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。
演劇で、もし
書かれた台本のセリフをただ読む(=棒読みする)だけの大根役者と
その登場人物のバックグラウンドをイメージして
「この台詞は、この人物にこういう過去や人格があるから出て来た台詞だ」と
自分なりにその登場人物の心情を投影して口から出す役者
どちらがより自然で、魂がこもっているでしょうか?
たしかに彼らは演じているので
「(本来の自分の考えに)嘘をついている」という風に
捉えてしまえば元も子もありませんが、
その登場人物になりきって魂を込めている実力のある役者は
その瞬間はその登場人物そのものなので
そこから出るセリフは嘘ではなくなるんですね。
だからこそ、ドラマや映画、演劇をみて
悲しい結末に涙したり、
奇妙な出来事に笑ったり、
悪役に怒ったり、
主人公の幸せに喜んだり
感情移入ができるんだと思います。
話は戻りますが、
味のある演奏をするには
そこに書かれているフレーズをただ演奏するのでもなく
手癖で無意識にパラパラ演奏するでもなく
「どれだけ歌としてイメージできているか」
それを意識していけば、
一音を出すだけでも魂を込めることができるのではないか
と感じるこのごろです。
今回のまとめ
・味のある演奏をするにはまずは「フレーズを歌う」こと
・フレーズを歌えばそのフレーズをどうやって解釈しているのかが見えてくる
・自分なりにイメージを明確にし魂を込めたとき、味のある演奏になる。
僕も空っぽの演奏をしてしまう時はしょっちゅうありますので、
お互い意識して楽しんでいきましょう!
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一でした。