こんにちは、畠山勇一です。
ステージに立つとどうしても緊張してしまう、
極度の緊張はパフォーマンスを著しく低下させます。
前回そんな話をしました。
「ステージに潜む魔物の正体」
今日は本番そのものではなく、
本番に向けて、ステージに潜む魔物に立ち向かえるような心構えを
作っていこうというお話です。
これは答えから言ってしまうと、
「自然体が一番強い」です。
気合いが入っていると、
なんだか凄いことができそうな気がしますが、
気合いが入りすぎると空回りしますし、
根詰めすぎてもプレッシャーに押しつぶされます。
いかにして自然体に近い状態でいられるかというのがポイントなのです。
自然体とは、
心や体が無理していない状態です。
素の自分と言っても良いかもしれません。
そのためには、
本番が近づくまでの数日前から(ペースなどにより数週間前から)は
フルパワーを高めることよりも
ベースアップをすることに集中して下さい。
つまり、
「気合いを入れなくてもできることの安定感を身につける」
ことに集中するのです。
本番近くで完成度が低いものは、
できることならば、今回は見送りましょう。
今の自分ができる範囲の演奏に留め、
その代わり、
今の自分ができる範囲の演奏の完成度を高めるのです。
僕はこのことについて、
いつも「ドラゴンボール」という漫画を思い出します。
古い作品ですが、今でも根強い人気を誇る少年ジャンプのバトル漫画ですね。
長編の中で、「セル編」と呼ばれているストーリーがあります。
強い人間や宇宙人の細胞を集めて作られた超生命体「セル」
彼の強さは圧倒的で、これまでいくつもの闘いを勝ち抜いて来た
主人公たちすらもこのままでは勝てないとなり、修行を始めます。
主人公の孫悟空とその息子、悟飯
主人公の良きライバルのベジータとその息子、トランクス
この2組の親子が別々に修行をします。
この2組の親子の修行方法が対照的でした。
ベジータとトランクス親子はひたすら体を痛めつけ
「スーパーサイヤ人」と呼ばれる超戦闘状態を
何段階もパワーアップするような厳しいトレーニングを
期間ギリギリまで重ねました。
一方、
悟空と悟飯の親子は、「スーパーサイヤ人」を
何段階もパワーアップさせることは、
心身の消耗を激化させる無理な状態と判断し、
第1段階の「スーパーサイヤ人」で日常生活を送り、
「スーパーサイヤ人」=自然体という状況を作り出します。
修行後の2組の実力差は歴然で
悟空・悟飯の方が強くなって決戦を迎えるのです。
結果はどちらの修行でもセルのパワーには敵いませんでしたが…
(仲間を傷つけられた悟飯が怒りで真の力に目覚めて倒すという展開です。)
この話でも、
やはり
「無理すればできること」を高めるよりも
「無理しないでできること」を安定させることが
最終的には
ハイパフォーマンスになるということを伝えたかったのかなと思っています。
話は戻りますが、
「あの曲のサビ、結局本番で上手くできるか分からないな~」という心配な気持ちは
ステージ上の魔物の大好物です。
なるべくなら、
(特にジャムセッションなどアドリブで自由に演奏できる状態ならば)
取り去って本番に臨みましょう!
本日のまとめ
・ステージに潜む魔物に立ち向かうには「自然体」が一番
・本番前には「無理すればできる完成度の低いもの」はなるべくならやらない覚悟をする。
・そのかわり、焦らずに「無理なくできるもの」の安定感を高める
今日もお読みいただきありがとうございました。
今回の執筆は畠山勇一でした。