

【音域の話と音の特徴】
あなたもご存知の通り,音は元々空気の振動で
それを耳が感じ取って我々は音を認識します。
そしてその音の振動が激しい程,
耳ではその音を「高い」と認識します。
よく「1秒間に何回振動するか(周波数)」を
表す単位として「Hz(ヘルツ)」
というものを見かけますが,
人の耳はおおよそ20Hzから2万Hz(20kHz)程度まで
聴く事ができるとされています(可聴周波数帯)。
実は,高音と低音で音の伝わり方自体が違い,
基本的に高音は速く直線的に伝わる一方で,
低音は遅く周囲に広がるような伝わり方をします。
また,人間の耳にもちゃんと音の高低を認識して
(和音なども)聴き分ける機能が備わっている一方,
高い音ほど小さい音でも聴きやすく,逆に
低い音ほど大きくしないと聴きにくい性質があります。
アンサンブル(合奏)では各楽器の出せる範囲
(周波数帯域といいます)の違いを把握して,
同じ〜近い周波数帯にできるだけ音が
被らないようにすることで,各楽器パートが
それぞれの良さを活かせるように配慮が必要です。
とはいっても,演奏中は「今600Hzくらいの音が…」
みたいな事を考えている場合ではないので,
例えばですが
・ボーカルとギターは周波数帯域がカブりやすいので
できるだけ同時に音を出す事を避ける
・ベースは低音域が特徴なので,ピアノ・ギターなどの
幅広い帯域を表現できる楽器は低音がカブるのを避ける
というように,ザックリでも良いのでバンドの音が
「低音・中音・高音にバランスよく行き渡る」
事をイメージして演奏するのが良いですし,
そういった部分を配慮できるプレイヤーである事は,
結果的に多くのプレイヤーからも進んで共演したいと
思われるのでしょうから,良い事ずくめでしょう!