音楽理論とのうまくつきあって行く方法について。
数回に分けてお話しして来ております。
前回までに「暗記した方が楽な音楽理論」として
キーの話をしてきました。
その記事を出したところ読者様からご質問を頂きましたので、
回答して行きたいと思います!
前回までの内容をさらっとおさらい!
キー(調)というのは
その楽曲の基準となる単音&コード、
そして構成する
メジャースケール&ダイアトニックコードを意味します。
そのキーの規則とは次のようなものです。
・シャープ系とフラット系のキーがある
・キーを表示する時にシャープとフラットは混在しない
・シャープ系もフラット系も増え方に順番がある
・♯は5度上、♭は4度上の音の順番に増える
覚えるのには「5度圏」という図表を使うと覚えやすい!
というような内容でした。
そんな記事を読んでいただいて
頂いた質問はこちら
「F♯とG♭は同じ音なのに表記が2つあるのはどうしてですか??」
とても良い質問ですね!
答えから言ってしまうと
「このキーだけどちらで表記しても見やすさが同じだから!」なのです。
実はどのキーにも別の表記をする手段はあります。
(とはいえキーCやキーDなど♯系のキーは
基準の音がナチュラルなのでわざわざ別の表記で、とは考えないと思いますが(汗))
【F♯とG♭のキーの構成音】
まずF♯とG♭、この2つのキーの構成音を見て行きましょう!
ファ♯ ソ♯ ラ♯ シ ド♯ レ♯ ミ♯(♯が6個)
ソ♭ ラ♭ シ♭ ド♭ レ♭ ミ♭ ファ(♭が6個)
どちらで表記しても♯か♭が6個つくことになるので、
めんどくさいキーであることには変わりがないのです。
どちらで表記してもめんどくささが一緒だから
どちらで表記してもOK
という答えなのですが、これだけだと
理由にならなそうなので(笑)、他のものと比較してみましょう!
【他のキーはもっとめんどくさい?】
実は7音全てに♯か♭がつくキーもあります。
それは
C♭とC♯です。
これらには
ドレミファソラシの全ての音に♯か♭がつきます。
ではC♭の方をピックアップして構成音を見て行きましょう!
ド♭ レ♭ ミ♭ ファ♭ ソ♭ ラ♭ シ♭
となり「♭が7個」です。
でも、これって…
何か気付きませんか?
そもそもド♭って?
ピアノでドのすぐ左隣って黒い鍵盤がなくて
すぐに白い鍵盤ですよね?
つまり、
キーC♭はキーBと全く同じ音を使っているのです。
ド♭ レ♭ ミ♭ ファ♭ ソ♭ ラ♭ シ♭
シ ド♯ レ♯ ミ ファ♯ ソ♯ ラ♯
これらは表記は違うけど全く同じです!
でも
キーC♭で表すと♭が7個なのに対して
キーBで表してしまえば♯なら5個で足りてしまいます!
♯や♭が多いとごちゃごちゃしてしまいますし、
記載漏れなどもありますしね。
この場合は表記の仕方は2種類ありますが
キーBで表した方が良いのです!
だから表記は1つしか無いとも言えます。
【更にめんどくさいキー達】
それなら理論上は♭系のキーは♯でも表せるんじゃないの?
とか思った人、いませんか?
僕は思ってしまったので整理してみました。
たとえば
キーA♭ですが、今までの理屈で言えばキーG♯でも良さそうな気がするけど、
どうでしょう?
まずキーA♭の構成音は
ラ♭ シ♭ ド レ♭ ミ♭ ファ ソ(♭が4個のキー)
これをあえてキーG♯で表すと。
ソ♯ ラ♯ シ♯ ド♯ レ♯ ミ♯ ファ× (♯が7…あれ????)
ファの部分には“×”がついていますが、これはダブルシャープの意味です。
つまりシャープが2個つくということ。
キーG♯の構成音を考える時はキーGの構成音に全部♯をつければ良いのです。
キーGにはファに既に♯がついているので、
2個目がのシャープが付け足されることになります。
全部に♯がつくどころか、ダブルシャープまで出てきたら
見にくさは最上級です!♭で示せば4個だけつければそれで済みますからね。
【豆知識:メジャースケール内で同じ音名は1回だけ登場する】
7音で構成されたメジャースケールですが、
これには1つルールがあります。
それは
・7音全て使う(重複はしない)
ということ
例えばこれまでに出てきた
キーG♭内のド♭は音自体はシと同じなので、
ソ♭ ラ♭ シ♭ 「シ」 レ♭ ミ♭ ファ
と表記できなくもないのですが、
メジャースケールの表記としてはドが登場しないのにシが2つでてくるので
イビツになってしまいます。
同じ理由で
ソ♭ ラ♭ 「ラ♯」 ド♭ レ♭ ミ♭ ファ
とかもダメです。
必ずメジャースケールは7音全ての音が使われます。
それぞれの音と音の関係性を知るためにも必須なのです。
今回の内容は以上です!
疑問質問があれば、遠慮なくご質問くださいね!
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!