今回は【構成把握の次にすべきことは感覚的把握】というお話。
音楽理論とのうまくつきあって行く方法について。
数回に分けてお話しして行きます。
第7回目は前回の引き続き、
リードシートを渡された時に見る順番。
これが身に付くと、どこを演奏しているのか分からなくなる
「ロスト」が激減します。
第6回目では「まずは曲の構成を把握しよう」
というお話でした。
コード追うことに一生懸命になってしまい、
「木を見て森を見ず」の状態にならないように注意
ということでした。
その次は、キーとかコード進行とか言いたいところですが、
その前に(少し特殊な条件が必要ですが、)
実は感覚的理解を先に行えると「スッ」と
コード進行の流れが覚えやすくなります。
それは?
【落ち着きどころを感覚的に理解する】
その場で
リードシートを渡されて打ち合わせもなくやるのあらば、
ちょっとその状況は作りにくいですけども、
特殊な環境とは
「Aメロやサビなどの構成を念頭に置きながら、
全体の流れ(特にハーモニーの流れ)を聞き取れる環境」
それを作れると良いです。
出来るならば、
・実際の音源を聞く
・コード進行と簡単なリズム(クリックとか)だけ、
などの簡単なカラオケ音源を作り、聞く。
・その場で知っている人たちにコードの確認として実際に演奏してもらう。
などの状況を作って、
「コード進行を視覚的に、理論的に理解するのではなく
まずは耳で感覚的に理解する」ことが大事です。
その時にどのような観点で聞くのかというと、
「どこでハーモニーの落ち着きがやってくるか?」
これをしっかりと身体で感じながら聞いてください。
その時にリズムに強い人は
「◎小節目で落ち着く」など、
リズム的にもフォーカスできると尚良いです。
ロストする確率が圧倒的に低い人は
実はこのように
「曲をハーモニーとリズムのそして、メロディの3面から捉えています。」
(メロディは、
テーマメロディがそのコード進行を聞いた時に
脳内でうっすら流れているようなイメージ)
1コードや2コード系の曲の場合は
もしかしたら、「落ち着く感覚」が得られないかもしれませんが、
ほとんどの曲には
音楽は落ち着きと盛り上がりの波で出来ていますので
必ず、コード進行が落ち着く箇所があります。
理論的なことを言えば、
トニックと呼ばれるコード群
I(1度メジャー)やVIm(6度マイナー)などですが、
そうやって理論的な理解の前に
「盛り上がって落ち着く」
「落ち着いた状態から盛り上がって落ち着く」
というのを耳で(何となくで良いので)把握できるようになると
リズムも捉えられやすくなるし、
なによりもアドリブ中の
一番大事なところを押さえることになります。
【落ち着きどころで着地できれば万事OK】
アドリブセッションには
アドリブだからこそ言える
最強にして最愛の言葉があります。
それは、
「落ち着きどころで着地できれば万事OK。
それがあれば盛り上がりどころは何やっても良い。」
です。愛がありますね〜。
もちろん、
一応最初に決めた曲なりコード進行なりを
はなっからぶち壊すような演奏はお勧めしませんが(汗)
多少間違えたって、
落ち着きどころで、音程やリズムを外したりしなければ、
大抵うまく行きます。
でも逆にいうと、
着地点を見誤ると
途端にダサくなりますし、見事にみんなにバレます(笑)
着地点は
リズム、メロディ、ハーモニー全ての要素を内包しているので、
どの楽器にも言えることです。
コードを追おう追おうとしている時は、
見失った時のリカバーがなかなか出来ないものですが、
ソロ中や、コードが追えなくなった瞬間などに
「耳で感覚的に落ち着きどころが分かっている」と
大きな失敗をせずに済み、ロストせずに戻ってこれます。
曲全体の構成を理解したら、
「ハーモニーの落ち着きどころを耳で感覚的に把握する」です。
「今何の音がなっている」とか細かいことは分からなくても大丈夫です。
まずは、「落ち着きどころがどこか」それがわかる耳を徐々に養ってみてください。
では今回はここまで!
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!