今回は【セッション的『情けは人のためならず』】というお話。
最近音楽理論関係の記事を書いたり、
アドリブの動画送ってくれたら見ますよというようなことをしていたら
こんなような質問を頂きました。
「FTJS!の面々は「アドリブはシンプルに」ということを強調されておりますが、
多彩なスケールを使った方が面白いと思うのですが…」
というような趣旨の内容でした。
とても良い質問でしたので、
僕の回答を一部加筆修正してシェアします。
【なぜシンプルにを強調するのか?】
僕らが「シンプルに」という点を強調しているのは、
ジャムセッションはアンサンブルのコミュニケーションありきで
「他人に伝わること」が大事だと考えているからです。
しかし、そのような練習は一人では出来ないので、
多くのプレイヤーはアドリブの練習として
手数を増やすこと、理論を詰め込むことに走ってしまいます。
(もちろん悪いことではありません)
しかし、そのままの延長で、実際のセッションに参加すると、
コミュニケーションをする視点が欠落しているので、
「他人に分かりづらい伝わらないアドリブ」となってしまう
傾向があります。
その、自主練習では練習することが出来ずに
見落としがちな視点を養う意味で、
「シンプルに分かりやすく」を実践してもらうことを
強調しています。
なので、伝わるのであれば、
多彩なフレーズを使い分けることは
楽しい刺激となりますので、むしろ大歓迎です。
そうするとおそらく次の疑問が生まれてくるでしょう。
【なぜ他人に伝わる演奏の方がいいのか?】
セッションなんて別に、
自分が気持ちよく演奏できればそれで良くない?
という疑問がわき起こるでしょう。
では次のようなことをイメージしてみてください。
・自分が盛り上がりたい時にメンバーが合わせて盛り上げてくれる
・自分のフレーズの変化に気付いてバッキングが反応してくれて変化をつけてくれる。
そんなようにメンバーがしてくれたら
一人で盛り上がる以上に楽しいと思いませんか?
少なくとも僕らFTJS!はそれが楽しいと感じています。
「情けは人のためならず」
ということわざがありますね。
これは
「人に情けをかけることは、その人のためだけに留まらず、
巡り巡って自分にも良いことが起こる」
という意味です。
そう、メンバーのために
「分かりやすいフレーズを心がけること」は
結局
「自分が一人で盛り上がる以上に楽しい時間が過ごせる」
ことに繋がってくるのです。
人とのコミュニケーションは
言葉の会話でだってうまく伝わらないことの連続です。
ましてや音と身振り手振りだけで伝えることなんて
やってみると相当難しいですよ。
言葉で伝える時と同じです。
要点自体は一言で言い表せられるほどシンプルで
そこに装飾的に多彩な言葉がついて独自の表現となります。
アドリブもそれと同じで、
「伝わりやすい」という
基礎を押さえた上で、
多彩なフレージングを心がけてみてください。
緩急つけた時の相対的な差が更に
変化を気付きやすくしてくれますしね!
では今回はここまで!
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!