今回は【リードシートのを読み解く順番】というお話。
音楽理論とのうまくつきあって行く方法について。
数回に分けてお話しして行きます。
今まで
第一回目は「音楽理論は「難しい」と思うから難しい。」
第二回目は「アドリブは出来ないと思っているから出来ない。」
第三回目は「音楽理論は音とセットで覚えよう。」
第四回目は「覚えることは絞った方が良い」
第五回目は「ジャムセッションに最低限必要なもの」
今回の
第六回目は前回の結論「リードシートが理解できればジャムセッションできる」
から続きです。
【リードシートとは?】
前回のおさらいですが、
「リードシート」というのは
コード進行や前奏部分、メロディ、キメなど、
その曲の主要な部分だけが記された簡単な譜面のことを指します。
ジャズスタンダードブックやリアルブックと
呼ばれるようなものに載っている譜面がこれです。
ほとんどの曲が1ページにまとまっています。
裏を返せば、
1ページにまとまるくらいの曲が昔から愛されているとも言えますね。
セッションの現場では、
やりたい曲の「リードシート」を人数分用意しておいて、
その場で配って演奏する、なんてことも良く見かける光景です。
【なぜコード進行を追おうとするのか?】
ここで僕は強く疑問に感じていることがあります。
「なんで処理が間に合わないのにコード進行を追おうするの?」
ということ。
初見プレイに慣れてない人で
中途半端に理論を理解している人ほど
紙に穴があくんじゃないかってくらい一生懸命コード進行を追ってしまいます。
基本的にはバッキングにはあまり参加しない
管楽器の方でも同じ傾向があります。
(もちろんついて行けるなら追えた方が良いですよ)
コードに沿うようなソロは
次のコード進行に向かうようにフレージングしないと気持ちよくならないし、
そもそも、その曲の主要キーが分かれば
転調でもしない限り「スケール一発」でアドリブできます。
理論を本当に理解しているならば、
他のメンバーがコードなり、リズムなりで支えてくれるソロ中は
そこはシンプルに一発と割り切ってしまって、
特殊なコード(セカンダリードミナントとか裏コードなど)
の部分だけに的をしぼって特徴的な音を使って行くことが出来ます。
追わなきゃ追わなきゃって気持ちでコード進行を追う人は
大抵重大なミスをしでかしてしまいます。
【リードシートで一番最初に把握すること】
リードシートには以下のような情報が記載されています。
・曲名
・目安のテンポやリズムパターン
・特殊なイントロがあれば「イントロ」
・その曲の主要キー、セクションで大きな転調があればそれも
・コード進行
・テーマのメロディ
・みんなでキメを合わせるところのリズムやメロディ
・特殊なエンディングがあれば「エンディング」
などが五線譜も用いながら書かれています。
では、このリードシートを見た時に
「一番最初に把握するべきこと」は何だと思いますか?
順番にみると曲名などが目に飛び込むかとは思いますが、
演奏する上で、まず始めに頭に落とし込みたいことです。
ちょっと考えてみてください。
・
・・
・・・・
・・・・・
はい、では答えです。
これはと〜〜っても意地悪問題です。
答えは「曲の構成」です。
上に書かれていないことが答えでした(笑)
でも実際に「曲の構成はこうなっています」と
明記されていないものも多いです。
実はこれが大きな失敗をしてしまう人の見え方だったりします。
つまり、
「木を見て森を見ず」という状態に陥ってしまうということ。
「イントロがあって8小節のAメロがあってそれを2回繰り返して、Bメロが…」
というような構成のアウトラインを理解する前に
キーがなんだとか、リズムやテンポがなんだとか
細かいことに意識が持って行かれてしまいます。
ちなみに
最近では右上とかに親切に構成が書かれているような
リードシートもあります。
そうやって書かれていない限り
構成は見えにくいのです。
これはキーなどの細かい指定がない、
ドラマー的な曲の捉え方ですが、
他の楽器プレイヤーもまずは
構成はしっかりと把握した方が良いですよ。
【五線譜表記は実は非合理的!?】
先に断っておきますが、
五線譜での演奏の表記ほど
超合理的な音楽の記載方法はありません。
でもそれは、
「紙上に如何にコンパクトに記載するか?」
という合理性も兼ね備えているので、
子供の頃から読み慣れている人には
「そういうもの」なので読みやすいかもしれませんが、
僕が思うに
セッション的な理解としては、かなり非合理的なものです。
理由は
セッションでは4小節単位で理解した方が良いからです。
その観点から見ると五線譜は
・1段1段を隙間なく使うために段ごとに小節数が違う
・繰り返し番号やCodaなど、
4小節の区切りではないグルーヴ的に気持ち悪いところでもおかまいなく
視点を飛ばされる。
これらは表記のスペースはかなり削減されるので、
「譜面を追って演奏」するならばページめくりの回数が減らせるので良いでしょう。
しかし、
グルーヴ的なことを言えば、
4小節区切りを理解しづらくさせる非常に非合理的な表記とも言えます。
「なかなか構成が把握できない」とお困りの人は
まずは4小節区切りのコード表なんかに書き直してみることをお勧めします。
そうすると
17小節とか30小節とか4で割れない曲なども
謎が解けてロストしなくなってきますよ。
たとえば
「4段目だけ5小節で17小節になっているとか」
「Bメロからサビに向かうところで
2小節あおりが入るから半端になっている」
とかね。
今回のまとめ
・リードシートを見たら、まずは曲の全体の構成を理解する。
・五線譜は紙上では超合理的だが、セッション的グルーヴの観点からすると非合理。
・構成は4小節の区切りで覚えよう!
では今回はここまで!
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!