さて、今回は【覚えることを絞る】というお話。
音楽理論とのうまくつきあって行く方法について。
数回に分けてお話しして行きます。
今まで
第一回目は
音楽理論は「難しい」と思うから難しい。
第二回目は
アドリブは出来ないと思っているから出来ない。
第三回目は
音楽理論は音とセットで覚えよう。
というような
ザックリと一言で言うとこんな内容でした。
(ザックリしすぎ!?笑)
そして今回は第四回目
【初めてのカレー作り。あなたに必要な料理のレシピは?】
ちょっとイメージしてみてください。
あなたは、初めてのカレーを作ることになりました。
(作ったことある人は初めて作った時のことを思い浮かべてください。)
夕方7時前
仕事や学校、部活などが順調に終わり、
おなかも空いた。早く何か食べたい!という状況。
ちょうど夜ご飯時の帰り道。
そういば今日は家族に頼まれてて
自分でご飯を作らなくてはらないんだった。
家の冷蔵庫には確か、
タマネギと人参とジャガイモと…カレーが作れそうだな〜
足りない食材は帰り道で買い足そう。
しかし、カレーは何度も食べてはいるものの
自分で作るのは実は初めて。
あなたはネット検索なり、雑誌なりを使って
「カレーのレシピ」を探しました。
(カレールーの箱の裏側にのってるんですけどね 笑)
しかし、そこであなたの目に飛び込んできたのは
「スパイスを調合して、カレー粉を作るところからのレシピ」だった…
はい。想像はここまで。
この時のあなたは
・まだ料理自そんなに体慣れていない
・おなかも空いてて出来るだけ簡単に作りたい
という状況だったとします。
果たして、この時のあなたに。
スパイスから本格的なカレーを作る知識は必要でしょうか?
もちろん、カレー大好きで
スパイスからこだわって作りたいならば話は変わってきますが、
今の状況には合っていないですよね?
こういうことは
音楽理論を覚える時にもおこっていたりします。
【本当にあったロックバンドマンの理論挫折】
僕は高校生の時に軽音楽にハマり、エレキベースを始めました。
エレキベースを始めた理由は
「みんなギターとかボーカル希望で、幼少からやっている人はキーボードやってて、
ドラムは両手両足動かすから難しそうで、じゃ競合が少なそうなのはベースじゃね?」
という
安易なねじ曲がった価値観でベースを選びました。笑
(始めた当時はベースの役割すら知りませんでした。)
そこから教則本を買って演奏を一から覚え
最初はTAB譜という弦楽器専用の譜面で
練習していました。
(注)TAB譜は弦楽器の「1弦5フレット」などどこを押さえるのかが書いてあるので、
音楽理論も楽譜も分からなくても書かれているものは演奏できる
いわゆる弦楽器のチートシートです。
そして、理論もなにも分からない状態で
「自分の曲が作りたい!」と思いました。
とはいえ楽譜も読めないし、理論も分からないので
本屋で「楽典」を見つけ
「確か音大に行く人はこれを必要な知識として覚えるんだよな〜
じゃあこれ網羅すれば作曲できるかな?」と思い
それを買うことにしました。
そして、「真面目に1ページ目から」勉強をし始めたのです。
そこに最初の段階で書いてあったものは
「12平均律」や「純正律」という調律の話でした。
また、少し読み進めても、表記は嬰ヘ長調や変ロ短調、など
聞き慣れない日本語表記ばかりで
更にパラパラとページをめくれば、
音符があまりにも多くて
ぱっと見真っ黒なページなどなど
一通り見終わってパタッと本を閉じました。
そして、二度とその本を開くことはありませんでした。
その後別の形で音楽理論を身につけだすまでに
半年以上かかりました。
本当にあった話です。
【それは本当に今必要な知識なのか?】
これらは確かに音楽の基礎中の基礎ですが、
その時の僕にとっては全く必要ない知識。
僕は
・音楽理論のことを良く分かってなかった
・すぐに曲が作りたかった
僕が知りたかったことは
コード進行やスケールのことだったのに
それ以前の成り立ちの話もそうだし、
既に知っている言葉も違う呼び名で覚えるのです。
(嬰ヘ長調はF#メジャーキー、変ロ短調はB♭マイナーキーのこと)
まるで、
カレーをスパイスから作るための知識を覚えるような
ことになってしまったのです。
目的が脱線してしまうと人はモチベーションがダダ下がりしてしまいます。
これが、音楽理論を覚えるのには負のエネルギーになります。
今の情報の洪水のような時代では特に
取捨選択しないと何がなんだか分からなくなってしまいますからね。
今覚えようとしていることが少なくとも
「今の自分」に必要かどうかを考えて
「覚えることを絞る」
これを実践してみてくださいね。
では今回はここまで!
次回は、「アドリブセッションに必要最低限の理論を考える」
というお話です。
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!