今回は【真面目で勤勉な賢い人ほどアドリブができない!?】というお話。
「音楽理論苦手」
「よくわからない」
「難しい」
と悩んでしまっている方、
もしかしたら音楽理論の勉強の仕方が悪いのかもしれません。
音楽理論とのうまくつきあって行く方法について。
数回に分けてお話しして行きます。
回数は未定です。
前回の第二回目では
アドリブが出来ないと思い込んでいる方へ
・自分のアドリブ演奏を動画で撮影してメールで送ってみてください。
・必ず「なぜ出来ないと思うのか?」「出来ていると思える点」を明記してください。
・分からない部分は「分からない」で構いません。
・そこまで行うと自分の中で問題点が明確になり、多くの発見をすることが出来ます。
・そこまできて初めて適切な改善案を他者の口から聞くことが出来ます。
という内容をお送りしました。
YouTubeの「限定公開」を利用すれば、
見せたい人にだけ見せることが出来ますので、
演奏動画まだまだお待ちしておりますよ。
早速送ってくださった方がいて嬉しい限りです♪
返信はもう少々お待ちください。
さて、
第三回目は
【音楽理論は必ず、音と一緒に覚える】
音楽教室に携わっているので、
真面目で勤勉な賢い人ほどアドリブができない!?
という光景を目の当たりにする機会があります。
まず、先に断っておきますが、
真面目で勤勉な賢い人でもアドリブが出来る人はいっぱいいます。
むしろそういう人がこの最初の壁を取っ払えると
非常に速いスピードで上達して行くことになります。
では
真面目で勤勉な賢い人が陥りやすい落とし穴とは?
それは、
「自分のフィールドに持って帰って理解しようとする」ことです。
真面目で勤勉な賢い人には
今までの人生の様々な問題を解決してきた
「自分なりの方程式」や「オリジナルメソッド」、
「マイフレームワーク」のようなものがあります。
そういうもので理解することで、
自分なりにシンプル化し、高速で落とし込むことが出来ます。
良くも悪くも理論的なやり方です。
しかしながら、音楽、特にアドリブに関しては
そのやり方は非常に相性が悪いです。
「自分のフィールドに持って帰って理解しようとする」
これをもっと端的に言うと
机の上でノートに書いて理解して覚える。
というような行為。
もちろんそれも悪いことではありません。
時にはそんなことも必要です。
しかし、ここで今回のポイントがまた出てきます。
「音楽理論は必ず、音と一緒に覚える」
音楽理論はとても便利な道具です。
しかし、そもそもそれは何を表しているのか?
それは「音」ですよね?
そう、ノートの上には絶対に存在しないものです。
譜面に記されている音楽を演奏するのであれば、
机の上の楽譜上でもある程度の理解は出来ますが、
ことアドリブになるとそれは通用しません。
アドリブで使える音楽理論は
耳で聞いてハーモニーやメロディを感じ
身体を使ってリズムを感じて覚えるものです。
理論といいながらも非常に感覚的なものです。
そして、タイム感が非常に重要になります。
閃きと瞬間的な判断とともにあります。
答えを出すまで待ってはくれないのです。
「自分には音感がないから」「リズム感がないから」
と机にかじりついて音楽理論でカバーすべく勉強してもダメなんです。
そこにある音を感じて覚えなくては
実践的な知識にはならないのです。
まとめます。
真面目で勤勉な賢い人が陥りやすいアドリブが出来なくなる落とし穴とは?
それは「自分なりの思考法で考えることが
アドリブ演奏に関しては通用しないということに気付かない」ということです。
頭の回転が速いと言われるタイプの思考法は
Webサイトの「キャッシュ」に似ています。
Webサイトにおける「キャッシュ」とは?
一度閲覧したサイト情報(画像など)は自分のブラウザに保存されます。
この保存された情報を「キャッシュ」といい、
キャッシュがあることで
もう一度同じサイトのページを閲覧した時に
同じ画像などの情報を一から読み込まないで済むので
瞬時にページが表示されるのです。
頭の回転が速いタイプの人はこれに近い形で、
一度導きだした答えに近いものは
いちいち考え直さないで過去の記憶から瞬時に判断している場合が多いです。
しかし、キャッシュに依存することで
ページが一新されているにも関わらず、
古い情報を見続けてしまうことにも繋がります。
(パソコンの場合は更新すれば新しいページになります。)
このように一度落とし込んだものを
自分の中で理解しているものとして気にも留めない
実はそんな部分に「出来ない理由」が隠されているのです。
通用しない思考法は手放してみてください。
そして、新しい思考法でアドリブのコツを掴んだら、
今度は逆にガンガン「キャッシュ」して高速化して
瞬間的なアドリブ反応に大いにお役立てください。
では今回はここまで!
次回は、「覚えることを絞る」というお話です。
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!