今回は【セッションするのに最低限覚える音楽理論とは?】というお話。
音楽理論とのうまくつきあって行く方法について。
数回に分けてお話しして行きます。
今まで
第一回目は「音楽理論は「難しい」と思うから難しい。」
第二回目は「アドリブは出来ないと思っているから出来ない。」
第三回目は「音楽理論は音とセットで覚えよう。」
第四回目は「覚えることは絞った方が良い」
というような
ザックリと一言で言うとこんな内容でした。
そして今回は第五回目は前回の「覚える内容を絞る」を受けての話とのなります。
【ジャムセッションに最低限必要なもの】
ぶっちゃけ、最低限というならば、
音楽理論なんか知らなくてもジャムセッションをすることは出来ます。
感覚でやれるとかそういう話ではなく、
「この音とことの音使って遊んでみて」とか
「このリズムから盛り上がったらこのリズムに変えてみて」とか
理論を持ち出さなくても指定してあげることで
アンサンブルの形になり、それなりに盛り上がることが出来ます。
むしろ、中途半端に音楽理論を知っている方が
「これはアボイドじゃないんですか?」とか
「なんでこの時にこれを使っていいんですか?」とか
理屈先行で理解しようとしてしまうので、
その方がジャムセッションをする上では足かせとなります。
音で感じて、記憶にとどめるために補填する形で理論は後付けで良いのです。
仲間内で超シンプルなセッションを楽しむなら
「音楽理論なんかいらない」これがまず前提です。
だから良くも悪くも
必要性を感じない人には必要ではないのです。
しかし、
ジャムセッションが行われている場所では
曲を題材にしたセッションを行うことが大半です。
その時に、知らない曲でも
ある簡単な譜面を読み解くことができると
その場で合わせることも出来るようになっています。
それは「リードシート」です。
【リードシートを読めるようになれば、ジャムセッションは出来る。】
「リードシート」というのは
コード進行や前奏部分、メロディ、キメなど、
その曲の主要な部分だけが記された簡単な譜面のことを指します。
ジャズスタンダードブックやリアルブックと
呼ばれるようなものに載っている譜面がこれです。
ほとんどの曲が1ページにまとまっています。
裏を返せば、
1ページにまとまるくらいの曲が昔から愛されているとも言えますね。
セッションの現場では、
やりたい曲の「リードシート」を人数分用意しておいて、
その場で配って演奏する、なんてことも良く見かける光景です。
なので、その「リードシートを初見で理解できる」というのが
ジャムセッションで最低限必要な音楽理論。
それが詰まっているのではないかなと思います。
そのベーシックとなる「リードシートに記載されていること」が
理解できている、←これは知識で分かるという意味ではなく
実践的にアドリブに落とし込めている状態になって初めて
上級理論の「コード分解や代理コード、リズムチェンジ」などは
使うことが出来ます。
頭でっかちになりすぎしまっている人は、
徐々にアウトプットして実力に変えていってくださいね。
今回の結論は
「セッションするのに最低限覚える音楽理論」
それは「リードシートに記載されている内容がわかる」ということ。
それでは、リードシートには主にどんなことが記載されているのか?
また、その記載されていることからまずはどこから理解して行けば良いのか?
その話は次回にとっておきましょう!
【余談:楽器演奏者の天敵「カラオケ感覚ボーカリスト」】
僕が数年前にジャズバーのセッションにお邪魔した時のお話です。
まだジャズのジャの字も知らなかった頃
初心者にも優しかったので、
何回か顔を出しジャズ実践の場として通っていたジャズバーがありました。
(その頃はまだドラムでしかアドリブが出来ませんでした。)
そこでもやはり、
いろんな人が「リードシート」を持ち寄って、セッションを繰り広げています。
僕もビビりながらリードシートを追いながら構成に沿って演奏していました。
曲ごとに「良くやられるキー」はありますが、
ボーカリストが入るとその前提がなくなることがあります。
その時に集団でやってきていたのは
どこかのジャズボーカルスクールに通われているであろう
ボーカリスト達だったので、
そのスクールの教えかは分かりませんが
自分の声域にあったキーにしっかりと変えて譜面を用意していました。
カラオケにいくと必ずリモコンについてる
「キーチェンジャー」で上げ下げすることをイメージしてください。
あんまりやらないような
♯や♭がいっぱいついてるようなキーで持ってきたりして、
もう半音上げるか下げるかしてくれたら凄く演奏しやすいのに!
と思いますが、セッションの場所では
テーマ演奏者および歌唱者のリクエストは受けるのが暗黙の了解なので、
そのまま渡されたキーで演奏します。
ホストは慣れた様子で演奏していても、
他のそのキーに慣れていない参加者は必死に譜面に食らいついて追って行きます。
そして、ボーカリストの暴走は未だ続きます。
(今思えば、そのボーカリスト集団は
めちゃくちゃ緊張してテンパっていました。)
歌を歌いきったら、後は丸投げにしてしまい、
ホストの方がアドリブを始めたら、
他のソリストにまわす前にまた歌に入ってしまったり
他の方は、やたらテーマ長いな〜と思ったら、
アドリブすることなくエンディングまで歌いきったり
まるでカラオケ状態でした(苦笑)
キーを変えるのは、挑戦にもなるのでまだしも、
せめて楽器演奏者にアドリブをとらせてあげて欲しかった(汗)
初見セッションで
ドラマーの最恐のできごとは
「構成を間違える。エンディングで終われない」という曲の構成が把握しきれないこと。
その代わり
ドラマーの最大のアドバンテージは「キー関係ない」ということです。
なので、この話は、他人事ですが(笑)
当時僕が他の楽器で通っていたら「やめてくれ!」
と悲痛な声を上げていたことでしょう。
アドリブセッションに参加したいピンボーカルの皆さんはせめて
・楽器演奏はカラオケのキーチェンジャーのように簡単な発想で移調は出来ない。
・下手でもいいからスキャットで自分自身もアドリブがとれる
という点は踏まえておいた方が良いかもしれませんよ。
こんな感じのみなさんの
セッションで嬉しかった体験、困った体験などなど
エピソード募集しています!
メールに返信または問い合わせから送ってきてくださいね♪
では今回はここまで!
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの音楽ライフが
より豊かになっていくことを願っています♪
今回もお読みいただきありがとうございました。
執筆は畠山勇一。またね!