
お気に入りに追加こんにちは!
セッションインストラクター
の斉藤 彰広です。
「フリージャズ」ってそもそも何?
という方のために,
まずは必殺wikiから引用します。(笑)
「いかなる西洋音楽の
理論や様式にも従わないという理念の、
一連のジャズの総称である。」
要するに、普通のコード、メロディ、リズムなどを、
全部壊してアドリブしちゃおう!というコンセプト。
なぜこんなことを書いているのかと言うと、
先日、久々に「フリーっ気」の強い
ジャズをライブで聴いたからなのです。
もちろん、開始早々から
1時間ずっとノイズになってしまうような
「どフリー」ではありません。(笑)
ある無茶苦茶早いテンポの
4ビート曲のアドリブで、
フリー要素の強い即興アンサンブルに
突入したのです!
学生の頃は普通のジャズスタンダードなのに、
急にギター歪ませてノイズを出したり、
サックスの適当なフラジオでキーキー言わせたり、
ドラムがむやみにポリリズムに突入したり、
と派手にやって皆で
「フリージャズ!」と叫んで遊んでいました。
(ジャズ研あるある 笑)
でも僕もそれなりに大人になりました。(?)
今の耳でフリーなアンサンブルを聴くと、
昔とはまったく違った印象を受けます!
もちろん、プレイヤーの皆さんが
一流のジャズミュージシャンだった
というのもあるのでしょう。
適当にやっているようで、
確実にそこには【音の会話】がありました!
誰かのインタビューで
「素人がピアノを肘で適当にこすって、
山下洋輔風!と言うのは簡単。
でも、本当に山下洋輔が
肘で弾いたように
ピアノを弾くのは至難の業。」
こんな趣旨の記事を読んだ記憶があります。
今ならまさにその意味がわかります!
専門用語で恐縮ですが、
「アウトフレーズ」が音楽にはあります。
コードや調性の外側の、
いわゆるハズれた音でサウンドさせる方法です。
これをやる時、初心者は
ただ適当にハズしに行きます。
でも、上手になってくると
「どうハズすのかも明確にイメージできる!」
ようになります。
そして、リズムも含めて
「インサイド」(ハズれない音)も
「アウトサイド」(ハズれた音)も
くっきり頭の中で鳴り始め、
ある程度自由にコントロールできるようになると、
急に次の世界が見えてきます。
その世界とは「予定調和からこぼれ落ちる音の世界!」
僕がプレイヤーなので
確信してお伝えできる事があります。
「音の会話が極まると、
自分でも何をやっているのか
分析できなくなります!」
後から理屈をつけることは
いくらでもできますが、
少なくとも最高のアドリブが決まった瞬間は
自分でも何のフレーズを
弾いているのか分かりません。
これぞ予定調和からこぼれ落ちた瞬間!
インサイドもアウトサイドも、
ある程度極めたプレイヤー同士で
音の会話をすると、
まず予定調和を早い段階でやり尽くします。
そしてそのまま綺麗に
終わることもあるのですが、
何かのきっかけがあると、
その予定調和からこぼれ落ちる
フレーズやアプローチが飛び出します!
これぞまさに「会話」の醍醐味。
普通の言葉による会話でも、
何気ないテーマが急に面白い内容に
展開する事ってありますよね?
1人の世界では絶対そこまで行けないのに、
複数で「会話」するとよくそういう事が起こります。
歌舞伎の「守破離」ではありませんが、
まずは徹底的に予定調和を理解する。
すると次に予定調和の外側の世界が見えてくる。
そこまでたどり着くと、
今度は内と外の狭間にある
「こぼれ落ちる世界」が見えてくる!
こんな世界観を感じた
おっさんのフリージャズ体験でした。
ピンときた方は是非参考にしてみてください。
今日も一日ガツンと
グルーヴさせていきましょう!
